語源の力

歴史探索

私は言葉の語源を想像するのが好きです。何故かを説明するのは少し難しいのですが、しいて言うと語源を知った時の古代へのロマンを感じるからです。

少し前に書いた記事に「I’m thunderstruck.」というフレーズが出てきました。

和訳には「青天の霹靂」や「寝耳に水」といった日本語を充てるようです。

ここで想像したのはthunderは雷だな、するとstruckとは何か、おそらくstrikeと同じ語源なのだろうと。strikeはストライク、野球の投手がバッターめがけてど真ん中へ放り込んだ時のカウントだ。

ミットに投げ込んだ時の音をイメージできます。ある種の衝撃を意味するのだろう。

調べてみるとstruckはstrikeの過去[分詞]と書かれています。やっぱりそうだ。私の想像は当たった、とうれしくなるわけです。

つまりthunderstruckとは雷に打たれたような衝撃を表すのですね。

ちなみに青天の霹靂とは

青く晴れた空に突然おこるかみなり。もとは筆勢のはげしさなどにいった。転じて、一般には思いがけない突発的な事変を例えていう。

故事俗信 ことわざ大辞典 第一版第九刷

と書いてありました。

I’m thunderstruck. 青天の霹靂だ!

ずいぶん前に塩野七生さんが書いた本でサラリーマンのサラリーの語源はsalt(塩)だと書いてあった。

これを読んだだけで私はワクワクする。ほっほーっ。そうなのか。なぜ塩が語源なのか、定期的に塩をもらう文化があったのだろうと想像すると、どのような世界だったのかと考え楽しくなる。

当たり前に使っていた言葉の語源が意外なところからだと判ると、言葉の、いいかえると人間そのものの歴史を考えざるを得ない。

「人間とはどういう存在なのか」

それを考えてしまう。転じて、自分とは、家族とは、社会とは、世界とは。

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