シニアパートナーとなることになったハーヴィーは事務所のルールでアソシエイトを雇わなければならない。1人で仕事をしたいハーヴィーは気の進まない面接を開催したが、お目当てにかなう人材はそうそういないとガッカリしている。そこに警官から追われるように逃げ込んできたマイクと出会う。
H: How the hell did you know they were the police?
どうやって奴らが警官だってわかったんだ?
M: I read this novel in elementary school, um, cops were staking out a hotel. One of them dresses as a bellhop. The other is a man in a suit. And it was the exact same thing.
小学生のころ読んだ本に載ってたんだ、ホテルに張り込む警官の話。1人がベルホップを着て、もう片方がスーツを着てるんだ。さっきの状況とまったく同じ。
H: You read a novel in elementary school.
小学生で小説を読むのか?
M: What? I like to read.
え?読むのが好きだから。
H: And why did you ask them what time it was?
時間を聞いたのは何故なんだ?
M: Uh, throw them off. I mean, what kind of drug dealer asks a cop what time is it when he’s got a briefcase full of pot, right?
彼らを油断させるため。大麻が詰まったスーツケースを持つ売人が警官に時間なんか聞かないでしょ?
H: We should hire you. Jesus, I’d give you the 25 grand as a signing bonus.
お前を雇いたいな。契約金2万5千ドル払うのに。
M: I’ll take it.
それ欲しいです。
H: Unfortunately, we only hire from Harvard. And you not only did not go to Harvard Law school, you haven’t even gone to any law school.
残念だが、うちはハーバードしか雇わないんだ。お前はハーバードに行ってないし、それに他のロースクールにも行ってない。
M: What if I told you that I consume knowledge like no one you’ve ever met and I’ve actually passed the bar?
僕がどのロースクールにも行かずに独学で司法試験に受かったって言ったら?
H: I’d say you’re full of crap.
そんなのあり得ない。
M: That’s a BarBri Legal Handbook right there, right? Open it up. Read me something. Anything.
それバーバリアンの法律ハンドブックでしょ?開いてどこでもいいから読んでみて。なんでも。
マイクはハンドブックを全部覚えている事をハーヴィーに証明しようとします。するとハーヴィーが読み始めたところの続きを見事に暗唱し驚かせます。
一方、ハーバード出身のハーヴィーもどれだけ法律を知っているかマイクに見せつけようとします。問題を出すよう指示されたマイクはPCで検索しながらハーヴィーに問題を出します。
が、記憶の天才マイクは「検索結果を読み上げている」ふりをして暗唱していた事をハーヴィーに見せ「僕には勝てない」と諭します。
H: That’s impressive, but you’re sitting at a computer.
確かにすごいけど、パソコン見てたらわかるだろ。
M: Playing Hearts. Sorry. If you want to beat me, you’re going to have to do it at something else.
ハーツをやってた。僕を打ち負かしたいのはわかるけど、記憶では僕には勝てませんよ。
【解説】弁護士を目指していたマイクは記憶の天才。一度読めば全部理解して覚えられるという、みんながあこがれるような能力の持ち主だが、悪友のせいで道を外れてしまいます。
ある日、祖母のためにお金が必要になったマイクは、友人の誘いに「一度だけ」と決めた大麻取引を実行に移します。
大麻のおとり捜査に引っ掛かりそうになるマイク。何とか難を逃れて、たまたまたどり着いたのが法律事務所の面接室。警官から逃れるためにも、他人になりすまして入るマイクは初めてハーヴィーと出会います。第1話の一番面白いシーンですね。
ただ面接室に入ったマイクは鍵の外れかかったスーツケースの中身をぶちまけてしまいます。
いきさつを聞いたハーヴィーはマイクに興味を持ち質問しますが「とんでもない奴が現れた」と感心して雇うことにします。マイクのとっさの機転を利かす「Uh, throw them off. I mean, what kind of drug dealer asks a cop what time is it when he’s got a briefcase full of pot, right?」にハーヴィーはほれ込みます。これこそ「That’s what a really smart person is.」と思うわけです。
I consume knowledge like no one you’ve ever met.というセリフがありますが「あなたが出会ったことのない、独学で知識を吸収する人(=ロースクールを出てない人々の意)が司法試験に合格したら、という直訳を「僕がどこのロースクールにも行かずに独学で司法試験に受かったって言ったら?」と表現しました。